大人は見えない

しゃかりきコロンブス

映画『ボヘミアン・ラプソディ』


映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!

 

 

 

私がクイーンを知ったのは、『クソイキリサブカル女子になりたい山ガールファッション』をしていた中学二年生のころだったと思います。まあ有名どころは一応聴いておかなきゃな~くらいのノリで、地元のレンタル屋さんに通っていました。ニルヴァーナU2ビートルズなどなど。ライブエイドをはじめて見た時はマジで感動して、涙が勝手に流れてきた記憶があります。この人たちと同じ時代に生まれたかったし、同じ時代を生きられた人たちがうらやましすぎて嫉妬したほど。でも、クイーンがどういう経緯で結成されて、どうやってスターダムにのし上がったのかは、よく知りませんでした。曲が好き程度、みたいな。

 

 

そんなクソイキリ青春時代の記憶が一瞬で蘇りました。『ボヘミアン・ラプソディ』。すでにサントラは聴いていたのですが、ブライアンメイが演奏するFOXのテーマですでにじわっと来ていて。最初に、ライブエイドのステージに向かうフレディの後ろ姿が映るんですけど、そこでもう涙腺がゆるゆるになっていました。小出部長による映画部の連載で、「最初にすれ違っているのがU2」と言っていたのですが、マジでU2でした。ここで早くもひと泣き。本筋もわかりやすくて面白かったけど、こういう小ネタをちょこちょこ挟んでくれるのが、コアなファンにもきちんと向き合っていて良かった。というか、製作陣がクイーンを心から好きでリスペクトしているんだろうな、というのがビンビン伝わってきました。まずフレディ加入からの初ライブで泣くじゃないですか?からのレコード会社の偉い人と話してレコーディング&ツアーやるみたいな流れで、日本の名前が出てきて再び泣きます。

キャストもみんな似てた!というか、役を生きるとはこういうことなんだなあとしみじみ。ジョンディーコン似すぎでしょ。ブライアンメイも、弾き方がそっくりでマジで憑依だなと思った。弾き方というか、演奏しているときの立ち姿がそっくり。ストーリー的にはフレディにスポットが当たっているわけですが、他のメンバーもきちんと人となりがわかる程度には描かれていて、そこは親切だなあと思いました。

山小屋みたいなところでレコーディングするシーン最高でした。フレディがいろんなことに気づいて、自分を見つめなおして、悩んで、『ボヘミアン・ラプソディ』ができて。ほかの三人はちょっと喧嘩したりして。よくできた4人だなあと思いました。何様なんだよと思います自分でも。でもさ~、推しグループあるひとあるあるですよね、「メンバーの関係性最高」っていう気持ち。

 

 

フレディが長いツアーやらレコーディングやらから帰ってきて、妻のメアリーに自分がバイセクシャルであることをカミングアウトするシーンも泣きました。「自分はバイセクシャルだ」と伝えたら、メアリーは「あなたはゲイだ」と言うところ。自分より、自分のことを大切に思っている人の方が変化に気づくんだよなあ~、わかる~と思いながら泣いた。離婚した後もずっと友達でいてくれるメアリーが最高でした。彼女がいなかったらフレディはもっと生き急いでしまっていたと思う。メアリーやバンドメンバーが、出会った時からずっと変わらずフレディをフレディとして愛してくれていたからこそ、彼が輝いていたのだと思うと、本当に泣けてしまう。。。というか、現代でも同性愛者とか移民とか、自分が勝手に決めた「普通」という枠の中に入れられない人のことを避けたり虐げたりする風潮が消えないのに、この時代はもっと壮絶だったのでは。。。と、考えるだけで心臓が痛いし、フレディの記者会見のもやもやした描写がそのまんま自分の脳内で再生される。

 

 

なんかもう話を追って書くのめんどくなってきたから、思いついたことからポンポンメモするスタイルに移行します。

毎晩パーティーをしてクスリやって酒飲んで、ソロアルバムを出さなきゃ出さなきゃと躍起になってバンドをないがしろにしていうシーン、他の3人のメンバーとの話し合いの時の表情が素晴らしかったです。腰抜かすってよりは、そうなるよな(笑)っていう。リアリティがすごかった。そこまで驚くわけでもなく、この流れが必然であるかのような、でも、信じたいような。パワーバランスがフレディ6他4みたいに見えてたけど、実はそうでもなかったんだろうなと思いました。4人のバンドであることを4人みんなきちんと自覚的だったはず。

 

 

そんで破滅していくフレディのもとにメアリーが来て、クイーンにライブエイドのオファーが来ていると告げる、と。。。お分かりの通り、ここから45分くらいずっと泣いています。フレディはギャラ平等とかもうどうでもよかったと思う。とにかく4人でクイーンがやりたかったんだろうな、と。てか見たのが1週間くらい前なんですけど、ちょうどミスチルのライブに行ったばかりだったんですね。だからなんか余計思うところがあって(ミスチルにそういう揉め事があるとかではなくて、今回のライブがバンドバンドしていて絆を感じたってことです)、やばかったです。ライブエイドに向けた練習で、フレディはメンバーに自分がエイズであることをカミングアウトします。一番フレディと喧嘩してたロジャーが「君は伝説だ」って言うの、もう絆以外の何でもないよ~。それにフレディが「俺たちが、な?」みたいに返すのももうさ~~~、青春!!!!!!!!!!!これはマジで青春でしかなかった。曲作ったり合宿したりしてるのも全部全部青春だったけど、苦難を乗り越えて産まれる一体感と狂気的な執念が、ナンバーワン青春でした。青春ネコ映画が見たい人は今すぐ映画館に駆け込もう!!

 

 

そしてラストのライブエイド。ここ、本当にすごいとしか言えなかった。いつも「すごい」、「やばい」、「最高」しか語彙がないでお馴染みの私ですが、今回もまた語彙力が更新されることはありませんでした。感情が高ぶれば高ぶるほど言葉って生まれなくないですか?脳と口に直通ラインが開通しませんか?逆に日常のほんの些細な感情の機微の方が、なんでこんな表現自分から出てきたんだろう!詩人なのかな私!天才!!ってなります。

ライブエイドはもうみんな言っている通り、再現の度合いがおかしい。規模感、圧倒的なパフォーマンス、そして客と演者の熱量をあそこまで再現できるとは。。。製作陣のクイーン愛、作品への情熱を感じます。脱帽。フレディの視点からのシーン胸アツでした。

 

 

で、エンドロールで『ショウマストゴーオン』流れるの反則です。もうこのままエンドレスで再生してもらっていいです、となりました。立ち上がれないよ~。後ろに座っていた奥様も号泣で動けてなかった。てか意外と若い人がいなくてびっくりしました。クイーン知らなくても、青春映画として超名作なので見た方が良いです!!見てからサントラ聴いて、アップルミュージックの「はじめてのクイーン」聴いてみよう。今作品を見て、サブカルクソイキリ中学生だった自分をやっと肯定できた気がします。おsssssssっそいけど。

 

 

このあと、『アリー/スター誕生』もあるんですよね?今年音楽系の映画豊作すぎてどうしたらいいんだろうか。全然見られなかったけど、今年見た映画ランキングつけたい。すぐ終わると思うのでそのうちやろ~。とにかく「ボ・ラプ、青春セイアハ!」って気分です。